シャチハタが普及した理由や9mmサイズのハンコの用途について

ハンコは日本で古くから続く認証の記しであり、現在でも公的な書類には必須とされています。また、簡易的なハンコとしてのシャチハタも広く普及していますが、一般的なハンコとは扱いが異なる場合もあるので使用する際はその点に注意しなければいけません。

上手にシャチハタを使いこなすためにも普及した理由や注意点などを詳しく学びましょう。

(連結できるハンコは意外と便利)

インク浸透印の商品名が一般名詞化したシャチハタ

一般的なハンコは文字や記号などが刻まれた印面に朱肉を付けて使用しますが、シャチハタの場合は朱肉を使う必要がありません。シャチハタ内部にインクが詰められているので、印面を書類などに強く押し当てるだけで使うことができます。

内部にインクが詰められているハンコをインク浸透印と言いますが、シャチハタの呼称が広く用いられています。しかしシャチハタは印鑑や文房具の製造や販売を行っているシヤチハタ株式会社が扱っているインク浸透印「Xスタンパー」の俗称です。

本来ならXスタンパー以外のインク浸透印をシャチハタと呼ぶのは誤りですが、一般名詞化しているのが実状です。そのため、シヤチハタ株式会社以外の会社が作ったインク浸透印もシャチハタとして扱われることがあります。

認め印として使用できるのが広く普及した理由

ハンコは朱肉を付けてしっかりと押し付けないと綺麗な仕上がりになりません。かすれたり文字が潰れてしまうなどの不具合が生じることがありますが、シャチハタの場合はそのようなことはほとんど起きないと言えるでしょう。

シャチハタは印字部分がスポンジで作られていますが、そのスポンジには目に見えないほどの微小な穴が無数に作られています。その穴からインクが浸透するので、力を入れなくても綺麗に転写されるのです。また、滲み出るインクもスポンジの穴を通る際にある程度抑えられるので、文字や記号が潰れてしまう心配がありません。

そのため、シャチハタは誰にでも簡単に扱うことができると言えるでしょう。また、認め印として使用できるのもシャチハタが広く普及した理由のひとつです。荷物の受け取り伝票や領収書、町内会の回覧板など印鑑証明の必要が無い物に使用できるハンコが認め印ですが、シャチハタはこの認め印として使うことができます。

朱肉を付ける手間がかからず、手を汚さないので非常に便利です。シャチハタの多くは安価で購入できるので、身近な便利グッズとしての側面もあります。サインを書くよりも早く認証を示すことができることから、会社内における書類の閲覧チェックや出欠簿の確認などに多用されています。

シャチハタが使用できないケースについて

朱肉要らずで簡単に使用できる他、安価で購入できるのがシャチハタのメリットですが、そのメリット故に使用できないケースもあります。ローン契約や公正証書の作成など、法的な拘束力が発生する取り引きや書類の作成にはシャチハタを使うことはできません。

シャチハタは機械による量産品なので、まったく同じ印面が複数存在します。一般的なハンコの場合、同じ文字や記号でもわずかに形状が異なります。この違いによって本人であることの証明になり、法的な拘束力を持つ書類の作成に使うことができます。

同一の印面が複数存在するシャチハタでは第三者に成りすますのが容易なので使用は不可能です。また、スポンジ製の印面は過度な圧力で変形することがあります。ハンコは何度押しても形状に変化が無いことが同一であることの証明です。

圧力のかけ方で変形することがあるシャチハタでは同一性を示すことが難しいため、重要な書類には使えないのです。

9mmハンコはもっとも広く普及しているサイズ

ひと口にハンコと言ってもその形状は様々ですが、中でも最大の違いはその大きさです。豆粒のように小さな印面のハンコもあれば、手の平と同じほどに大きい印面のハンコも市販されています。その中でも一般的なハンコとしてもっとも広く普及しているのが9mmサイズです。

9mmサイズのハンコは視認するのに丁度良いサイズとして、現在のハンコのほとんどに用いられています。実印や銀行印など印鑑登録が可能なハンコもその多くが9mmサイズです。シャチハタも9mmサイズの人気が高く、ネーム9の名称でシヤチハタ株式会社が販売している他、多くのハンコメーカーが様々な9mmサイズのインク浸透印を扱っています。

9mmサイズのシャチハタは店頭で購入できる他、ハンコメーカーに作成してもらうことも可能です。市販品のシャチハタは多くの名前が使われていますが、作成されていない名前も少なくありません。

そのような場合、ハンコメーカーに依頼することで自分の名前のシャチハタを作ってもらうことができます。特注品扱いなのでやや割高になりますが、認め印としての利便性の高さは支出した金額以上の価値があると言っても過言ではありません。

インクが切れたシャチハタの扱い方について

シャチハタは内部に詰まったインクが少しずつ消費されるので、長く使い続けていると次第に印字が薄くなり、遂にはかすれてしまうことがあります。インク切れになったシャチハタを捨てて新しい物を購入する方法もありますが、専用のインクを補充することで何度でも繰り返して使うことが可能です。

特に珍しい名前の場合、シャチハタでも特注品を使うことになるのでインク切れの度に作り直すと出費が嵩みます。インクを補充するのは買い替えによる余計な出費を抑える効果もあるのです。インクを補充する際には同じメーカーの製品を選ぶことを厳守しなければいけません。

同じ色でもメーカーによって成分が異なるので、別のメーカーのインクと混ぜると変色や詰まりが生じるおそれがあります。また、口を開けてから長い時間が経過した古いインクも劣化している可能性があるので避けるのが賢明と言えるでしょう。

シャチハタ本体もスポンジ部分が汚れていると穴が詰まってインクが出ないことがあります。スポンジ部分の汚れはセロハンテープの粘着力を利用して取り除くことができますが、スポンジが千切れてしまうこともあるので軽く当てる程度に留めるのが無難です。

シャチハタの特徴を正しく理解するのが上手に使いこなすコツ

内部に詰まったインクが滲み出る仕組みのシャチハタは朱肉を使う必要が無く、扱いも簡単な点が高く評価されています。簡易的な認め印として広く普及していますが、その利便性の高さ故に法的な拘束力が生じる重要な書類には使用できません。

また、インクを補充する際にも同じメーカーの物を選び、シャチハタ本体も綺麗にする必要があります。これらの注意点を正しく認識するのが長く使い続けるコツと言えるでしょう。